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さよなら 無常
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九州新幹線『さくら』に乗って鹿児島から関門海峡を越え、初めて本州に入る。
大阪から南下する経験はあっても鹿児島から新幹線で北上の景色がピンと来ないし、体内ナビが作動しない。
最近の未曾有の天変地異は試練というには余りにも過酷で厳しいが、それでもみんな黙って耐えていくしかないのか、日本人のただ黙々とした淡々とした生き方に海外から賞賛の声が上がるが、われわれは誰ひとりとしてこれが特異なことで賞賛に値するとは思っていない。
どこかの宗教学者がNHKで、日本人には誰にでも『無常観』というDNAが埋め込まれていることが確認できたと話をしていた。
この『無常』という感覚は確かに外国人には分かりづらい。
生きていく上では、日本人の誰しもが何を恨むでもなく致し方のないことと、その死を目前にしてもこの世は無常であると、穏やかに気遣う心根の優しさがある。
この世界の果ての『すんくじら』の地で2千年以上の永きに亘って自然災害の苦しみや悲しみに耐えてきた結果である。
世界中の誰しもがすぐには理解できまいよ。
風呂好きの私が菖蒲湯用の菖蒲を買った5月5日、私の上京を待っていたかのように18年という長寿のとても賢い猫が老衰で亡くなった。
最大の理解者であった家内の落胆振りは目に余り、無常観とは程遠いほどの泣き崩れようで私を慌てさせた。
この猫の死に立ち会うために帰ってきたようなものだね、と軽口をたたいて家内との会話をつなぐ。
最後の断末魔は親父の臨終に似て、大きく息を数回吐き出してこと絶えた。
金も無いゴールデンウイークはこの猫の葬式やら何やらで、ゴロゴロと普通の生活を終え、鹿児島に戻ると空港の迎えの車の中でまた新たな訃報を聞かされた。
歳もほぼ私と同じ現役の社長で、馬のあう彼とはよく海外のカジノで深夜まで二人でスリルを楽しんだものだ。
身近すぎるものたちが去っていく悲しみは、確かにどこか無常を超えて永遠の一点を見つめるようなそんな穏やかさがある。
2011/5/10
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