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宮崎県のえびの市に金松法然様の伝説というのがあって、お参りに行ってきました。
お参りづいているので、ほいほいとご利益を頂戴に預かろうとの魂胆です。
しかし、よくよく聞いてみるとこのご利益様について知らぬのは、どうも私だけだったらしく、聞く人皆々様がご承知で、結構こまめにお願い事をしているのだなあと、関心しました。
こちらでは「一言様」(ひとこっさあ)と言いまして、えびの市にお参りと言っただけで
(あら、ひとこっさあ、デスカ)とその道に明るい先生からも言われ、
(あらもう何時、午前中に行かなきゃだめよ)と諭される始末。
(いえ、今日はとりあえずのご挨拶でして)と気持ち半分だったのが良くなかった。
この金松法然様というお方は、言い伝えの看板によると大変な焼酎好きのお坊様で、死の直前に(私が死んだら焼酎を供えて一つの願を立てたら必ず叶えてやる、一度に二つ以上の願はかなわんぞ、欲張りはいかんぞ)と仰せになったそうで、そこから一言叶う、一言様となったと言うことです。
私は首にロープを掛けられ、売られ行くベコウシの心境で言われるがまま
(社長、願い事は一つですよ、単純明快に一つだけお願いしてくさい)その通り言ったつもりが、帰り車の中で
(願い事は一つだったんだけど、複雑にお願いしたらまずいかな?)
(どう言うことですか?)
案の定、東京の会議では大きな御世話となって兄と大喧嘩になってしまいました。
家内に話しても(あらら・・・)の一言。
江戸のお方は相変わらず気が短いなあと思いつつ、も一度単純明快にお参りの予定です。
見上げれば、外はビル火災らしく10機近くのヘリが頭上を舞っています。
さすがにお江戸の地と、自分の不甲斐なさに呆れながらも、素直にも一度、お願いし直し、しかし不思議と穏やかな気持ちになって、まっ、いいか。



2007/11/09


















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