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幸せの行方


 年末、この秋定年退職した東京の元総務課長、杉村君がわざわざ故黒岩会長の墓参に来てくださった。
人生の節目の儀礼とは言え、なかなかそう思っても出来るものではない。
郷里の宮崎に住む大正元年生まれの母親の見舞いのついでと言いつつも「私が家庭を持ち、無事子供たちを育てられたのも故黒岩会長のお陰です」「こうやって無事定年を迎えられたのも…」映画に出てくるようなセリフをすらすらと言われると、とっさに返す言葉が無く、目線をそらし、思わず空を見つめてしまう。
彼とは約35年間、苦楽をともにした言わば戦友。
青年期から壮年期のその思い出は数限りなく、おもわず目頭が熱くなる。
晩年は取締役でもまして総務部長にさえ推挙してあげられなかった申し訳なさと、自分の非力に対する不甲斐なさが気持ちを暗くする。
ああ、自分もいつの間にかそんな歳になってしまったのかと、人生の無常を噛みしめる。

年末に入って、連日忘年会の応援に総動員令が出る。
先日も宴会場フル使用で300人近いお客様、150人位がいいところの規模だから厨房も飲料もサービスもパンクの戦争状態。
問題は宴会終了後の下げと洗い場と掃除、その皿の数たるやハンパネエ。
翌日の準備をして帰りは夜中、これが週末は続く。
無論、土日の婚礼連荘の時も婚礼関係スタッフの帰りはその準備で夜中の12時を過ぎる。
気持ちよく酔っ払ったお客様を見ていて、この時間はいつも自分が酔っ払っているのかと思うとスタッフに対して申し訳ない気分。
みんなに、「もう大丈夫ですから上がってください」と言われて冷えたビールにゴクリと喉は鳴りつつも、その誘惑にホイホイと乗るわけにはいかない、そのつらさ。
しかし、この仕事は本当に好きでないと出来ない仕事。
しかもこれだけの辛い仕事をさせて、社員をなかなか幸せに出来ない不甲斐なさ、虚しさで気持ちが折れて自棄(やけ)を起こしそう。
人を幸せにする難しさと、幸せにしてあげられない辛さがこの年末は身に沁みる。


2010/12/12


















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